車買取のキャンセル・クーリングオフ:サムネイル

車を売る契約をしたあとに、そのあとに来た業者のほうが高い査定額を付けた場合に、前に来た業者との契約をキャンセルして後に来た業者と新たに契約を結ぶことが出来るのでしょうか。

クーリングオフ(英語: cooling-off period)とは、一定の契約に限り、一定期間、説明不要で無条件で申込みの撤回または契約を解除できる法制度である

出典:ウィキペディア クーリングオフより

実はバイクの買取ではクーリングオフが認められているのですが、なぜか車の場合は認められておらず、契約の解除は契約に従ったものになりますので、当然違約金を払うことになります。

なお、この違約金については契約によって変わってきますから、業者によってキャンセルできるかどうかは姿勢が違います。

こちらでは、車買取キャンセルをする場合の業者ごとの違いを見ていきます。

車買取のクーリングオフ・キャンセル:業者ごとの対応

車買取の契約キャンセルに関して重要なのは、「無償でキャンセル出来るか?」であって、キャンセル出来るかどうかといえば、違約金を払うことによってすべての状況で基本的に可能です。

そのため、こちらでは「キャンセル」を無償での契約解除をいうことにします。

車買取のキャンセルは業者ごとに違いますので、表にまとめて比較してみます。

なお、車買取業者が契約のキャンセルを明示していない場合は、違約金を払わずに契約解除出来ない場合が多いので、無料でキャンセル出来るかどうかが「不明」とあれば、まず無料でキャンセルできないと考えて問題ありません。

業者無償キャンセルの不可キャンセル出来る期間
ガリバー可能入庫から1日から7日
ビッグモーター不可不可
カーセブン可能引き渡しから7日間
ラビット店舗によって違う店舗によって違う
アップル店舗によって違う店舗によって違う
カーチス店舗によって違う店舗によって違う

表にまとめて一定の傾向が見えました。

まず「ガリバー」「カーセブン」については、無償キャンセルが可能です。

これはホームページで明示していますので、のちに詳しくお話しします。

逆に2018年末時点では「ビッグモーター」では、キャンセルのことについてホームページなどで確認することが出来ませんでした。

ただし、業者の方を持つわけではありませんが、引き取った車をすぐ業者オークションで換金するなど、すぐにお金に換えることが望ましいわけで、いつでも無料でキャンセル出来るというのは業者側のサービスによる部分が大きいです。

ビッグモーターは無料でのキャンセルを取り扱うことがないといっても、むしろこの状態が普通ですしそのための契約なので、契約書にサインする場合は注意しなければいけないのは、今一度考えてください。

最後に「ラビット」「アップル」「カーチス」は店舗によって異なるという姿勢であり、これはフランチャイズであることがその理由です。

また、カーセブンもフランチャイズ運営ではあるのですが、顧客方針としてキャンセルについては一律で取り決めがあるのでしょう。

逆にカーセブン以外は、キャンセル方針について看板を貸す業者に判断をゆだねているものである、ということです。

ガリバーのキャンセル方針

ガリバーではホームページでキャンセル方針について状況を明らかにしています。

車買取キャンセル(契約後)について|中古車のガリバー
出典:車買取キャンセル(契約後)について|中古車のガリバー https://221616.com/satei/faq/cancel/

これを見てわかるように状況によって無償キャンセル出来るか変わってくることが明らかになっていますね。

全ての状況で翌日までは無償キャンセルが出来るようになっていて、それ以後は状況別で変わるというわけです。

車買取をキャンセルするにあたって重要なのは、引き渡し後の車をどのように処分するかが決まっていた場合に、それで発生する費用や利益を違約金として請求してキャンセルをするということが通例である一方で、業者側としては契約をしたものを無償でキャンセルさせる道理もありません。

しかしながら、実害がなければキャンセルできることを分かりやすく表示するというのは、さすが車買取業者の最大手と言わざるを得ません。

正直、数年前までのガリバーについて印象は良くありませんでしたが、近年はイメージアップを図っていることもあって、こういった顧客寄りの経営を行っています。

カーセブンのキャンセル方針

カーセブンの引き渡し後7日間はキャンセル出来るということは、ホームページで確認することが出来ます。

カーセブンとは|車買取・車査定・中古車販売ならカーセブン
出典:カーセブンとは|車買取・車査定・中古車販売ならカーセブン https://www.carseven.co.jp/about#anshin

契約内容や特殊なケースでは、無償キャンセルが難しいようですが、例外事項を良くあるケースとして適用するのは、この「クルマ買取安心宣言!」の趣旨から外れるものですので、あまり心配をする必要はないでしょう。

基本的に双方合意のもとで契約をするわけで、その契約を引き渡し日から7日間に限り無条件で破棄出来るというのは、業者側の大きな譲歩であると言えますね。

車売却のキャンセルについて法的な争い

法的な根拠や順序を説明していますので、こういった話題を好まない方は飛ばし読みで大丈夫です。

ここまで説明してきたように車買取についてはバイクと異なり、クーリングオフの適用がありません。

そのため、契約上の内容がいかようか、またそれが有効なのか無効なのかという点が、車売却のキャンセルについて無償で出来るのか有償になるのかの焦点になります。

この点でもう少し具体的にいえば、キャンセルについて契約上の取り決めが消費者契約法第9条1号でいう「解除」にあたるのか、また業者側からすれば消費者の債務不履行を理由とした契約解除について、民法第420条の「損害賠償額の予定」との争いというわけです。

つまり、消費者契約法第9条1号でいう「解除」においては、キャンセル料の内容について制限をされること、また民法第420条の「損害賠償額の予定」については損害の範囲を決めるものとして、キャンセル料の取り決めが不当か、または取り決めについて適切な範囲といえるのかという点で考える必要があるということです。

国民生活センターにおいて、この争いについて「中古車の売却の際のキャンセル料のトラブルについて」という報告書があり、その報告書においては次のような結論を出しています。

事業者としては、消費者が解約を申し出た時期により、事業者が単に買い取り契約の書面を交わした段階、オークションに出品を予約した段階、オークション会場に車両の陸送が済んだ段階、落札者が現れた段階など、これらの各段階に分けて、当該事業者に生じる平均的な損害額をもって、キャンセル料を予め契約約款の条項に定めるべきであり、単に買い取り契約の書面を交わしただけの段階でのキャンセル料は無料と予め契約約款の条項に定めるべきである。

http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20050805_3.pdf

要約すれば、損害については各段階で発生するので、それについて適切に見積もりを行ったうえで、キャンセル料を請求するべきである、ということになります。

業者ごとの対応を見てみると、ガリバーにおいては図表を使って説明を行っていること、カーセブンにおいては全面的に車売却車に譲歩している形になりますね。

車売買契約書でキャンセル内容を定める理由

ここまで見てきたように、双方合意の下で契約しているので、一方的なキャンセルは違約金が発生しますし、特に損害がわかる場合にはその賠償を請求されても文句は言えません。

しかしながら、車買取業者としては契約を急がせるような場合もあり、その時には必ずしも倫理上公平であるかといえば、全くそんなこともありません。

それではなぜそこまでして契約を急がせるかといえば、車買取業者側の理由としては次の3つがあります。

車買取業者が契約を急ぐ理由
  • 車を安く買うことを確定させるため
  • 転売をスムーズに行うため
  • 営業成績のため

補足しておくとすれば、必ずしも車買取業者が悪いわけではありませんが、車を売る人にとっては利害が対立しますので、「敵対」している状況にもあります。

特に業者側の都合で書いていますので、悪く見える部分はありますが、ビジネス上はこのような理由があることを知っておきましょう。

車を安く買うことが契約を急ぐ理由

車買取業者は転売ビジネスをしていて、あなたから買う車をすぐに業者オークションなどで換金しています。

つまり、あなたから車を買い取るのは「仕入れ」にあたりますので、出来る限り安く仕入れることが出来れば、その安くできた部分は利益になります。

このことから、出来る限り安く買うことが利益を増やす努力であるのです。

そのため、出来る限り安く買うことで契約を確定させてしまえば、あとから来た業者に安く買ったことを指摘されても、「契約上」は履行される義務が生じますので、おそらくは消費生活センターに相談される苦情はこのような状況で発生しているものと考えています。

これを防ぐのは簡単に車の売却契約をしてはいけないということで、「今契約するなら高い査定を付けられます!」なんていうことも、全部が嘘ではないでしょうけれども、安易に乗らないように注意してください。

「転売をスムーズに行うため」とは

車買取業者のビジネスは転売ビジネスですが、転売は商品を置いておく時間を短くしたほうが、次に使う資金を回転させることができ、経営の合理化ができます。

このこともあって、買取を行った車はできる限り早く売ってしまいたいものなので、契約を確定してしまえば次の行動を確実にとることが出来ます。

多くの場合に、契約を破棄にする違約金はこの転売をする場合の費用と得られる利益に対して支払うものであり、ガリバーのキャンセル方針を見てみると分かるように、状況により無償キャンセルが可能かどうかは、とても分かりやすく表示しているものと考えられます。

車買取の営業マンは厳しい評価にさらされている

車買取業者の営業マンは厳しい成果主義がとられており、結果を出せば若くして年収1000万円超も可能です。

つまり、営業マン個人がそれだけの収入を得られるとすれば、当然そのお金は転売より発生した利益から出されるものです。

せっかく取れた契約をキャンセルするということは、営業マンの努力を無断してしまいますので、なんとかキャンセルにならないようにしようと考えるのは当然のことです。

このように営業マンの立場を考えれば、自分のためにも会社からの圧力もあり、キャンセルをさせないように積極的な姿勢も当然といえるでしょう。

無償キャンセル・クーリングオフは難しいので慎重に!

実際にクーリングオフの適用物品に関しては、車を含めるべきなのかというところで判断が別れています。

もし車もクーリングオフの対象になるのなら、今後のビジネスモデルに影響しかねませんので業者も現在販売力の強化でそれに対応している最中ということになります。

そういったことで、車を売ろうとお考えの方は出来る限り販売力を強化している車買取業者に出会えるように多くの業者に見積りをしてもらい、即決をしないという行動が良いでしょう。

クーリングオフに関しては今後どうなるかはわかりませんが、車に適用があるのかないのかといった流れだけでも業界はかなり良くなってきているように思えます。

皆様としましては多くの業者に査定交渉をすること、そして即決をしないということを守って頂けたらと思います。

安易な即決はあなたの交渉力を弱めることならず、いったん契約したとなると厳しい立場におかれることになります。

今契約すると高く買えます!という引く手あまたのように見せてきますが、その口車には乗らないように気をつけてくださいね!

お役立ていただけたら幸いです。