- ローンがあることで困るのは最大借入金額が減ること
- 住宅ローンにはまとめは不可能だが現在持っている不動産の売却で精算を手配してくれる
- 住宅ローンと車ローンを両方組みたいなら住宅ローンからが良い
住宅ローンは基本的に他のローンと比べて高額になります。
例としては、車では300万円前後、家の場合は3000万円前後など、金額の桁数がひとつ違います。
これから車ローンを組むときには、この大きな住宅ローンが車ローンの審査へ影響しないか心配ではありませんか?
なぜならば、ローン審査は落ちてしまうとその後しばらくは審査が通りにくくなったり、審査を一定期間無条件で落とされるということが起こります。
これは、個人の信用情報を情報機関が管理していて、金融機関がこれを参照するためで、正規の手順を踏んで融資を受けるならば、この情報に登録することに同意しているはずです。
このように融資情報などは金融機関に共有されているわけですが、他の融資がこれから行おうとしている融資へ影響を与えることもあるわけです。
つまり、車を買うときにローン審査で住宅ローンが原因で審査が通らないということはあるのか、このことをこちらで詳しく見ていくことにしましょう。
住宅ローンを組んで車ローン併用の注意点
住宅ローンの審査を通過した後に車のローンを通すとなると、場合によっては車ローンが通らない可能性があります。
これについては、いくら住宅ローンが大きいために、借入比率などについて考慮するといっても、住宅ローン関連の借入で融資可能上限金額に達している場合もあるからです。
住宅を買うときに気にするのは、生涯で一度の買い物だからできる限りよいものにしようと信用力の限界で住宅ローンを組む場合が多いからです。
もちろん、これが悪いことではありませんが、上で説明した定量基準を通過できないという可能性があります。
住宅ローンの後に車ローンを組むのは不利になりやすい
融資を受けるときに車を買う計画があるならば、その点についてあらかじめ相談しておくとよいかもしれません。
必ずそうなるとはいえませんが融資をする側もうまく調整して、自分のところで融資をしてもらいたいと考えるはずです。
融通してもらえるまではいわなくても、よい状態に導いてくれる場合も少なくありません。
そのため、住宅ローン審査通過後に車ローンを通そうとするならば、住宅ローンを組んだ金融機関に事前に相談するのが望ましく、審査後であっても可能ならば住宅ローンを組んだ金融機関に相談するとよいかもしれません。
例としては、みずほ銀行で住宅ローンを組んでもらったときには、ろうきんに車ローンの融資を別途依頼するよりも、みずほ銀行に相談すべきです。
最後に住宅ローンがある状態でも車ローンの審査を行う場合のポイントをみていきたいと思います。
車ローン審査時に住宅ローンがある場合の計算
ローンの審査は現在の借入額であったり、返済金額であったり、つまりは返済能力と貸し倒れリスクについて審査されますが、住宅ローンの場合には他のローンと違い多少の修正をするようで、そのことで大きくなりがちな住宅ローンの借入があっても車ローンを組むことはできます。
このことはお金を貸す側の立場で考えると分かりやすく、お金を貸す業者としてはお金を貸すことで儲けを出しているわけです。
そして、現在の日本は景気の個人差はあれど、なんだかんだで家をローンで買う人がいて、他のローンと共通の基準で計算したら貸し出しして儲けが出る顧客であっても、融資を断ってしまうことになりますよね。
そうなればお客さんが減って、売り上げや利益も減ることになります。
そこで、住宅ローンの借入額計算をほかのローンとは違う計算をすることで、返済能力がある人にお金を貸し出すということになります。
こちらでいうところでは、住宅ローンがあっても返済能力や貸し倒れリスクに問題がなければ、車ローンを組めるということになります。
年収と車ローン融資審査の関係
ローンなどの融資審査をするときには、今ある借入の残債と返済能力(ほとんどの場合年収と職業)をチェックして量的に決められるケースがほとんどのようです。
そのため、年収と残債の比率がある一定を超すことで審査を通過することが難しくなります。
ただ、巨額な住宅ローンを残債基準で決めるとほとんど審査をすることが無意味なほどに通らなくなるため、支払額で審査を行うことになりますので、それほど心配する必要はありません。
このことはフラット35の基準を見ると分かります。
住宅ローンの審査:返済金額の基準

一般には収入額の35%を借入返済に回せることが基準だといわれていますが、フラット35を見るとその点は明確に表明されています。
なお、フラット35公式サイトでは借入可能額をシミュレーションできますので、さっそく条件に合わせて行ってみました。(平成30年12月30日調査)
- 借入可能額:2899万円
- 条件:「頭金1割用意」「元利均等返済」「年利1.410%」「借り入れなし」
また年収が400万円以上なら返済比率を高めることが出来るので借入可能額が増えます。
そのため、年収500万円でもフラット35で借入できるのかを見てみます。(平成30年12月30日調査)
- 借入可能額:4832万円
- 条件:「頭金1割用意」「元利均等返済」「年利1.410%」「借り入れなし」
住宅ローンが有る状態では、年収による借入可能額とは別に、月々の返済負担率を参照するような審査評価基準が採用される場合も多く、融資審査通過に期待をすることも可能です。
このように住宅ローンは他のローンと比べて評価方法が異なることが多く、ローンを組むのは難しいのではないかと思ったら意外にうまくいくケースがあります。
次に融資のときに行われる評価基準について、「定量的なもの」と「定性的なもの」とに分けて説明します。
なお、シミュレーションをしたい方のためにフラット35の公式サイトにリンクを出しておきます。
ここまでは住宅ローンの審査についてみてきましたが次に車ローンの審査についてみていきます。
車ローン審査の定量評価基準
融資審査時の定量的評価基準とは、数字面で判断できる融資審査であり、多くの場合には年収や月収に対して、返済額や借入額の比率が見られることになります。
簡単にいえば数字上で融資できるか判断するということが評価の基準です。
ローンの種類にもよるところがありますが、後に話す定性的な部分は見るのが多少手間がかかるので、まずは定量的に審査をするというのが一般的でしょう。
定量的に見るのは借り入れ金額と現在の債務残高、または月間の収入に対する返済の負担率など様々です。
これらは、ローンを取り扱う金融機関でなければ正確に利用される基準は分かりませんが、種類としては次のようなものがあります。
車ローン定量評価基準の種類
融資審査の定量評価基準 | 説明 |
月間返済比率基準 | 月々の収入と返済の比率による基準 |
年間返済比率基準 | 年間の収入と返済の比率による基準 |
年収比率基準 | 年収と借入金額との比率による基準 |
これらの基準を単体、もしくは複合で利用して審査を行っています。
また、複数利用する場合には、それぞれをスコアリング、つまりは要素における得点の積み上げ、もしくは減算を行っていることがほとんどです。
ただ、近年はAIによるスコアリングも進んでいて、定量的な判断ももっと複雑に行われていますし、さらに定性的な基準もAIを導入することによって、コストダウンとリスク評価精度を上げているものと考えています。
AIを使う場合の例外などはありますが、定量的な基準による評価を行って特に問題なければ、定性的な審査を行う流れになるでしょう。
車ローン審査の定性評価基準
融資審査時の定性評価基準とは、勤続年数であったり支払い遅延であったり、あなたの属人的な評価基準です。
簡単にいえば、「年収など数字以外」で判断する評価基準で、つまりは定量基準以外の評価基準と考えてください。
定量的な審査基準とは異なり、その評価に多くの人的判断も含まれてしまう場合があります。
このため、定性的な基準は手間がかかるものですが、近年のAIスコアリングのおかげで、審査のスピードと精度が向上しています。
この基準は、定量基準と違いわかりにくいようで、多くの融資を受ける方が理解されているような内容であり、次のような項目例となっています。
車ローン定性評価基準の種類
融資審査の定性評価基準 | 説明 |
年齢 | 成人以上であり、融資終了時に定年していないか、など |
職業 | 会社の種類や雇用契約内容によって評価が変動 |
勤続年数 | 一般に3年を下回ると不利になるといわれているが1年でも問題ないケースもある |
住宅の種類と住んでいる年数 | 他ほど重要ではないが、転々とするよりも一箇所に長いほうが望ましい。住居地による評価もしているかもしれない |
過去の支払い遅延及び信用事故 | 支払い遅延があると、評価が当然低くなる |
他にもあげればキリがありませんが、これらの要素について、多くの場合にはスコアリングをして(評価点を付けること)、審査を行うことが一般的です。
最終的には、機械的に審査が下されるというよりも、人間が見て融資するかどうかを決める場合がほとんどでした。
他方、比較的小額融資の場合、スピード審査をうたっている業者は、機械によるスコアリングを行って融資を決定しています。
また、近年はある程度大きなローンであってもAIによる審査評価を行うことで、人的解釈を排除してより一般的な審査評価を得ることが可能になっています。
住宅ローンの借入評価が違う理由
住宅ローンは他のローンと比べて比較的大きな額になることが多いために、そのまま評価したとしたら多くの方がローン審査を通過することが出来なくなってしまいます。
意外かもしれませんが、実は金融機関もお金を貸したがっているのをご存知ですか?
それは彼らもお金の貸付を行わないと事業が成り立たないためです。
ですから、一定の基準は設けますが出来れば多くの方に借入をして欲しいと考えているので、その基準に補正をかけることは当然あります。
つまりは、債務としては大きいけれどもそれを他と同じ用に評価したとしたら貸付できる市場が狭くなってしまうこともあって、住宅ローンについては多少考慮をするという姿勢なのです。
住宅ローンを組むときの車ローン注意点
ローンを組む順番の注意点として大きな車ローンがあるときには、住宅ローンの審査は通りづらいと言われています。
実は住宅ローンが通りづらいというのは結果としてそうなるわけで、小難しい話をすると車ローンがあるからといって審査が通らなくなるわけではありません。
このことは返済負担率によるところが大きく、車ローンがある場合にはすでに月収に対する返済額の負担がありますので、住宅ローンを組める金額が少なくなるということです。
一方、組める住宅ローンに合わせて買える家のグレードを下げるなんてことは基本的にはしないために、借入額の上限は低くなるけれども買う家は変わらず、ということで住宅ローンの審査が通りづらいというわけです。
したがって、ローンを組むなら住宅が先で車が後というのが望ましいということになりますね。
計画的に買うというのは難しいですが、そういった機会に遭遇したときには参考にしてください。
住宅ローンに車ローンをおまとめは可能か?

住宅ローンは数千万円単位になりますが、ここに車購入代金を含めることができるのでしょうか?
結論としては、過去においてそういった事例もあったようですが基本的にはできません。
上にあげた画像はフラット35の利用条件ですが、新築の家を建てたり、中古の家を買う場合に限っています。
目的別ローンですので、目的外の用途でローンを使うことは出来ません。
住宅ローンは一定の目的について利用されることを約束しているために、家を買うための資金で車を買うということは契約に反しています。
そのため、基本的にはできませんが融資する側の都合でこれを可能にしていたこともあるようです。
住宅ローンの金利次第ではカーローンを使うほうが良い
いずれにしても、35年のローンなど家は長期に及びますから家のローンを利用して車を買うというのはいささか良いものとはいえません。
金利自体はカーローンより安くなる場合がほとんどですが、長期に及ぶ返済では多くの場合金利が高いカーローンのほうが支出は少なくて済みます。
そのため、どうしてもということなら別でローン依頼したほうが、契約の妥当性や安全性などからも有利だと思います。
ただ、後に説明するように金融機関は同じほうが良い場合も多く、もし住宅ローンと車ローンを合算や上乗せで検討しているならば、その旨をローン検討時に相談すれば失敗も少なくなると考えています。
住宅ローンに車ローンをまとめる実例
私の親戚が新規に住宅を買うために、車ローンを実質的に借り換えたので、そのときの話をしたいと思います。
その人が抱えていたローンなどは次のようになります。
- 車ローン300万円
- 住宅ローン2000万円
- カードローン他など50万円程度
これらを新規の住宅ローン5000万円にまとめることを行いました。
まとめるというと負債の移動が伴うように思えますが、実際には現在持っている住宅(分譲マンション)について処分したお金で、新しくローンを組むようなものでした。
家の処分代金で既存のローンを精算するような形といえば分かりやすいと思います。
実質的に車ローンを住宅ローンでまとめる方法
このようなことをローンを組む人から申し出ることは難しいことです。
つまり、家を売る側から提案があってうまく債務を調整してくれたことが結果としてまとめるような形になったということになります。
もし、あなたがローンを何件か抱えている中で、家を購入するような場面があれば、このようなことを相手から提案してくることは十分に考えられます。
なぜならば、相手も家を売りたいという思惑があるからで、このように債務について調整してくれるようなケースもありますので、チャンスがあれば利用してみましょう。
住宅ローンと車ローン:まとめ
ここまで、住宅ローンがあっても車のローンを組むことができるかどうかを見てきました。
結論としては、住宅ローンを組むことは可能ですが、最大借入金額が低下することで審査に悪い影響を及ばす可能性があるために、車ローンの審査が通らないこともあります。
そのため、どうしてもお金が無いなら、安い中古車を買うか少しでもローン金額を減らすためにも現金を用意しましょう。
中古車は取得価額が50万円以下なら自動車取得税がかからないなどの特例もあります。
昨今のエコカー減税では、厳格化が騒がれていますが、安い中古車なら自動車取得税に関してはその心配は無いですね。
予算が決まっているけれども良い車が見つからないという方は、逆に予算を入力して検索できる車探しをしてください。
車探しは自分でカーセンサーやグーでもできますが、多少無理な条件で業者に提案をもらうのも併用すると、思わぬ良い条件の車が探せるかもしれません。
お役立ていただけたら幸いです。
よくある質問
車ローンと住宅ローンの審査に違いはありますか?
車ローンと住宅ローンの審査について相違点があります。
まずローン審査については信用力や返済能力と金利、融資側がどこまでリスクを取るかなど、見られる要素はどちらも変わりません。
一方で、住宅ローン以外のローン審査時に住宅ローン借り入れ金額は巨額になるために「借入額」として評価する基準は異なる部分があります。
住宅ローンを使っている銀行での車ローンは有利ですか?
住宅ローンを使っている銀行で車ローンを組むと金利面で優遇される場合があります。
これについて明示しているマイカーローンもあれば、一定の範囲内で交渉によって引き出せる場合もあります。
有能な担当者であれば融資の話を打診してくると思いますので、他社ローンと比較交渉したうえでうまく条件を引き出してください。
住宅ローンに車ローンは含められますか?
原則として目的が異なるローンをまとめることは出来ません。
ただし、マンションから一戸建てなどに引っ越す場合には、マンション購入代金を車ローン返済に充てたうえで、一戸建てのローン評価で有利になるように計らってくれる場合があります。
この点で状況と間接的にはローン処理によって似たような効果を期待することが出来る場合があります。
年収280万円以上の優良顧客限定
金利が上がる前に使いたい低金利ローン
車ローンは住宅ローンほどではないとしても、近年は5年超など中長期にわたって払っていくローンです。デフレ経済でない今の日本にとって、将来の金利変動は避けられないものですが、そんなときに重要なのは金利が固定かどうかです。
もちろん変動金利といっても、いきなり高い金利になるということはありません。ですが金利上昇で支払い計画に修正が必要になったり、場合によっては家計を切り詰める必要も出てくるかもしれません…(「こんなことなら車なんて買わなきゃよかった!」なんて言われるのはキツイです)
もしあなたが将来の金利変動について不安があるならば、車ローンも住宅ローンのように固定金利がおすすめですが、残念なことに年収280万円以上の厳しい条件があります。
誰でも申し込めるものではなく優良顧客限定となってしまいますが、該当する方は固定金利かつ低金利と有利なローンを試してみてください。
面倒な口座開設を要求されませんし、ネットから申し込みが出来るので来店は不要で簡単です。
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