軽自動車にターボというと非常に快適で、軽自動車の制限である低排気量エンジンでもリッタークラスエンジンの出力を得ることができます。
それならばと燃料も気を使ったほうが良いのか、はたまたパワーが出るのではないかと考えてハイオクガソリンを給油するという考えが出るのは当然でしょう。
このような軽自動車ターボエンジンにはハイオクのガソリンを入れるべきなのでしょうか?
なお、ディーゼルエンジンにガソリンを入れてしまったり、ガソリンエンジンに軽油を入れてしまった場合にはこのようになります。
ガソリンスタンドには2種類のガソリンと軽油、そして灯油が売られています。 最近はセルフガソリンスタンドが増えてきていて、間違えて異なるガソリンを入れてしまうことも少なく無いようです。 ガソリン …
軽油と灯油を誤って給油してしまうケースもあることから絶対ではありませんが、給油機ノズルの色や表示には気をつけて給油ミスをしないようにしたいものです。
こちらでは、軽自動車にハイオクガソリンが必要なのか?ということやハイオクを給油することでのメリット・デメリット、そして注意点をみていきます。
軽自動車にハイオクは不要
軽自動車にはハイオクガソリンは不要です。
過去にはアルトワークスなどハイオク指定の軽自動車も存在しましたが、現在ではほぼすべての軽自動車はレギュラーのガソリンを指定しています。
一般に圧縮比が高い高性能や高出力エンジンにはハイオクガソリンが必要である場合が多いのですが、軽自動車の場合は多くの場合においてその限りではありません。
現在の軽自動車は、レギュラーガソリンを使うことを前提として各種設定を行っているはずですからレギュラーガソリンを利用することが最適です。
軽自動車にハイオクガソリンを入れるデメリット
軽自動車にハイオクガソリンを入れるデメリットはそれほどありません。
最も大きなデメリットとしては、「無意味」ということです。
この無意味というのは、せっかく1割以上高い金額のガソリンを入れたのに意味がないということで、意味がないならレギュラーガソリンで良いというわけです。
またハイエクガソリンについて昔はエンジン内の洗浄効果を効果を特徴に挙げていることもありましたが、現在では洗浄効果を期待できるほどレギュラーガソリンとの違いはありません。
このことはテレビCMで洗浄効果をアピールしていた宣伝がなくなったことからもわかることです。
また実用的な意味でデメリットを挙げるならば、リッター当たりの値段がレギュラーガソリンに比べて高いということになります。
このご時世、車の維持費をわざわざ上げるようなことをする必要はありません。
無意味なことにお金を多く使うことが無駄である、これが軽自動車にハイオクガソリンを入れるデメリットです。
エンジン洗浄効果は期待できない理由
過去においてハイオクエンジンのテレビのコマーシャルなどを見たことがある方はハイオクに洗浄効果がある添加剤が入っているようなことを知っているかもしれません。
現在もハイオクには洗浄効果のある添加剤は入っているかもしれませんが、レギュラーにも入っているかもしれませんのであまり効果の違いは実感できないでしょう。
このような洗浄効果が必要だったのは1980年代初頭において環境に悪い有鉛ガソリンを利用していたことから、この洗浄に添加剤を利用していたという時代背景があります。
皆さんも知っての通り、現在は環境に悪い有鉛ガソリンは廃止され、無鉛ガソリンとして各社販売を行っています。
余談ですが、無鉛プレミアムガソリンが指定されている車はハイオク指定車ですが、この無鉛というのはこのような経緯があるのです。
軽自動車にハイオクガソリンを入れるメリット
実際、ハイオクガソリンを入れるとノッキングなどのリスクは最小化できますので、悪いということはありません。
ただし、レギュラーガソリンを前提として設計されているエンジンですから害が無いと思っても意外に出力が落ちたような気がすると体感する車オーナーが少なく無いようです。
またこれも気持ち程度でしかないのですが、ハイオクガソリンのほうがレギュラーガソリンよりも熱量が高いそうですから、この点においてはほんの少しだけパワーが出る可能性があります。
唯一メリットといえば、ハイオクガソリンのエンジン洗浄効果ですが、実は現在ではそれほど期待できるものではありません。
ガソリンによるエンジン洗浄効果については、過去のハイオクガソリン性質など時代特性を知る必要があります。
ハイオクが必要かどうかはエンジン設計による
ハイオクガソリンとはオクタン価の高いガソリンで、日本のハイオクはオクタン価96以上のガソリンを「ハイオクガソリン」と呼んでいます。
オクタン価とは燃えにくさの数字であり、オクタン価が高いガソリンほど任意のタイミング以外で燃えにくい性質を持っています。
レーシングカーを代表される高性能エンジンにおいてはオクタン価が高いハイオクガソリンが必要とされます。
このことは、給油口で確認することができ、特にハイオクを絶対指定しているようなエンジンでは警告として書いているはずです。
そうでないハイオク指定車では、「無鉛プレミアムガソリン」と書かれており、このプレミアムガソリンというのがハイオクガソリンのことです。
また欧州の車は全て日本においてハイオクを入れる必要がありますが、これはヨーロッパでのガソリンはオクタン価95以上を必要としているからです。
このようにエンジン設計によって要求されるオクタン価の程度が決まってきます。
軽自動車については64馬力自主規制があるので、わざわざ高出力エンジンにする必要がないため、ほとんどの軽自動車はレギュラーガソリンを入れれば問題ないということになります。
ハイオクとレギュラーが混ざるとどうなる?
ここまで説明してきたようにハイオクを指定されていないエンジンでは、ハイオクを給油する必要がありません。
そのうえで心配なのが、違う油種が混ざってしまうことでしょう。
現在のハイオクガソリンは無鉛ガソリンであり、仮に現在ハイオクが入っていたとしてもレギュラーが混ざったところでほとんど影響はありません。
逆にハイオク指定のエンジンにおいてレギュラーガソリンを給油してしまった場合には、即座に壊れるわけではありませんので、ほとんどの場合には心配ありませんが、どうしても気になる場合にはディーラーや整備工場に相談に行くと良いでしょう。
油種が混ざると危険な軽油
油種が混ざってしまって特に困るのはハイオク専用エンジンとディーゼルや軽油関連でしょう。
まず、ハイオク専用のエンジンはレギュラーガソリンを利用することを想定していないぎりぎりの設計になっている可能性があるので、速やかにエンジン稼動を止めて整備工場などに連絡するべきです。
他方、ディーゼルエンジンにガソリンを入れることはエンジン故障の原因になり、同様にガソリンエンジンに軽油を入れてしまったときも故障の原因になります。
いずれもすぐに整備工場などに連絡を取るべきです。
話を戻すと、軽自動車のガソリンの話では、ハイオクが入っていてもレギュラーを混ぜたところで特に問題は起こりません。
そのため、ガソリンを抜くという作業もする必要はないでしょう。
軽自動車にハイオクにデメリットはある?まとめ
このようにハイオクガソリンを軽自動車に給油することは余り意味のあることではありません。
熱量の高さなども点火時期などのずれによって結局出力低下につながってしまうのではないかと思います。
ノッキングについても現在はノッキングを防止するセンサーが付いており、それによってノッキングを効果的に防止してくれますので、特にレギュラー仕様車が気にすることでもないでしょう。
以上より、圧縮比をあげるような改造を施す以外においては軽自動車において積極的にハイオクを利用する必要はありません。