最近低燃費を売りにしている車が増えてきましたが、これはカタログ値でいかに燃費を良くするかを競い合っていて、エコタイヤを標準装備している車も増えました。

エコタイヤとは

エコタイヤとは、装着することにより従来のタイヤよりも燃費がよくなる性能に特化したタイヤである。そのため、燃料を消費することを抑えることで環境性能に貢献している理由からエコタイヤと呼ばれている。

最近では、エコタイヤという呼び名以外にも、低燃費タイヤや少燃費タイヤなど名称が複数ある。

しかしながら、エコタイヤは通常のタイヤよりも高いことが多く、「燃費を向上させるのは良いとしてタイヤが高いのでは意味がない!」という車オーナーは少なくないはずです。

先に結論:エコタイヤはお金で得?

結論:エコタイヤは経済的に得でない可能性が高い。

エコタイヤ価格は標準的なタイヤ価格よりも高いので、車維持費を全体で見ると燃費が良くても、タイヤ価格が高い分だけ低燃費分を相殺してしまう可能性が高いことがその理由。ただし、転がり抵抗を落としたうえで走行性能を犠牲にしていない点は技術的に評価できる。

そこで、今回はエコタイヤの効果と、他のタイヤとの燃費比較を検討して、エコタイヤがどのぐらい燃費向上に役立って得なのかをみていきたいと思います。

エコタイヤの効果と燃費への影響

エコタイヤの効果と燃費比較:サムネイル

エコタイヤが燃費向上に貢献する理由としては、転がり抵抗が低いことが挙げられます。

転がり抵抗が低いことで、少ない燃料で多くの距離を走ることができ、結果として燃費がよくなるということです。

このことで、エコタイヤが燃費性能に良い影響を与えているのは間違いありません。

ただし、今使っているタイヤの空気圧をあげたとしても後に説明する転がり抵抗は低くなりますので、実際はその程度の差でしかないのかもしれません。

燃費に影響を与える「転がり抵抗」とは

転がり抵抗とは、タイヤと路面の関係におけるエネルギーのロスで抵抗が少ないほど、少ないエネルギーでたくさんタイヤを回すことができると考えていただければ良いでしょう。

タイヤの空気圧をあげたとしても上昇できる転がり抵抗ですが、これには一般のタイヤだと限界があります。

エコタイヤの場合にはそれ以上の性能を発揮できる、つまりは転がり抵抗について一般のタイヤでは達成できない水準を発揮できるのではないでしょうか。

もしくは、転がり抵抗をタイヤのグリップ性能を大きく損ねることなく、低くすることが出来るという夢のタイヤがエコタイヤなのかもしれません。

これについては次の標準的なタイヤなどとエコタイヤを比較したデータを確認してください。

エコタイヤと他のタイヤを比較

エコタイヤと他のタイヤを転がり抵抗や燃費も含めて比較してみます。

特に注目してほしい部分については蛍光色でマーキングさせていただきました。

転がし実験※3燃費比較※1コーナー性能コメント※2制動距離※3
スポーツタイヤ37.8m14.5km/l標準タイヤよりも粘る印象23.1m
標準的なタイヤ50.2m16.7km/l大きな影響は見られなかった22.5m
エコタイヤ57.1m17.6km/l標準タイヤよりも粘る印象23.2m

※1テストコース 80km/hで50km走行

※2濡れた路面を40km/hで曲がる

※3参考程度の情報として利用推奨

データはJAFMate・他より引用及び調査

3つのタイヤで比較した結果、確かに「エコタイヤは燃費性能が高いタイヤ」ということが分かりました。

そして転がり抵抗が低いという点について、走行性能が落ちているのではないかと思いましたが、標準的なタイヤと変わらないということです。

制動距離に関しては、性能が高いだろうスポーツタイヤの数字が乱れていることもあって、あまりあてにならないデータであると判断しています。

制動距離からは3つのタイヤともにそれほど大きな違いが無かったというデータが分かる程度だと思います。

エコタイヤのメリット

エコタイヤのメリットに関しては、燃費を向上させる効果があり、このことで環境性能に良いとされているわけです。

また、エコタイヤの種類によっては、製造している素材についても環境によいものを選択している可能性があります。

そのため、もっぱら地球環境について懸念している車ユーザーには良いタイヤといえるのではないでしょうか。

エコタイヤのデメリット

エコタイヤのデメリットとしては、車の運動性能をエコタイヤ以外と比較すると低くする可能性があり、またタイヤによってはとても高額であることがあげられます。

これらを考えると、地球環境保全のために利用するというならばまだしも、例えば経済的な理由で燃費が良くなるからエコタイヤを使って、高くなった金額を取り戻そう!なんていう考えはナンセンスであることが分かります。

つまり、燃費を向上させることが経済的な理由、車維持費を小さくするような場合には、エコタイヤを利用することは合理的な決断ではないのです。

現在のエコタイヤについては、燃費達成基準のために利用されているのではないか?と疑うほど利用する価値は低いものであると私は考えています。

なお、燃費達成基準のために利用というのは、エコカー減税などの割り率を上げるために定められた燃費を達成するために利用ということです。

低燃費タイヤ統一マーク

2010年1月以降から日本自動車タイヤ協会(JATMA)が、転がり抵抗とウエットグリップ性能を評価する方法を始めました。

メーカーによって異なるスペックが多いのでタイヤメーカーサイトで確認すれば確実だと思います。

⇒一般社団法人 日本自動車タイヤ協会

正直、低燃費タイヤ統一マークというものが何に役立つのか不明ですが、高いタイヤだと思ったらエコタイヤだった!ということの確認ぐらいにはなるかもしれません。

エコタイヤの助成金について

エコタイヤ購入で助成金が取得できるというのはトラックのみとなります。

1本あたり3000円で最大10本というのが相場のようです。

事業者などにはありがたい助成金なのではないでしょうか?

一般の方には無縁なものですから、ポスターや何かの情報で確認してもぬか喜びしないようにしてくださいね。

エコタイヤの効果と燃費比較:まとめ

最終的にここが問題になると思いますが、結論としてエコタイヤはそれほどお得ではありません。

どういった方にオススメかといえば、地球環境について気にする方が高い費用を払ってエコタイヤを装着すればよいのだと考えています。

エコタイヤは標準的なタイヤよりも高い価格となっていますので、この高い分を走って取り戻せるかどうかが重要となってくるでしょう。

webの情報を調査した結果、現段階においてはそれほど気にする差ではないというところだと思います。

車の使用状況によっても変わってくることですが、わざわざ出費を抑えるためにタイヤを替える価値はないということを申し上げておきます。

今後もタイヤ製造技術というのは高くなっていきますので、その時に検討することで今を保留にすることも賢い方法だと思います。

そのため、タイヤ交換時期において興味があるなら替えてみるのも良いでしょうけども、必ずしもお得でないことは留意しておくべきです。

以上、お役立ていただけたら幸いです。