軽自動車の衝突安全性はうそ?:サムネイル

近年では軽自動車の安全性は上がった、という声を聴くようになりました。

確かに近年ではメーカー側も軽自動車の安全性についてしっかり対応している傾向があります。

しかしながら、ニュースで見る車の死亡事故は自損も含めて軽自動車ばかり目立ちますし、周りを見ても軽自動車での事故は死亡や重傷に関わることが多く感じてしまいます。

こちらでは、近年の軽自動車安全性について、メーカー側の主張と車オーナー側の印象を、統計資料などを交えながら説明していきます。

これから車を買う方で安全性について気になるならばぜひ一読ください。

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軽自動車の安全性は嘘なのか?車体重量から見る

軽自動車の安全性について、交通安全環境研究所の統計資料ではやはり軽自動車による死亡事故は多いようで、「車体が軽い車で車体が重い車とぶつかった場合に、軽い車の搭乗者が死亡する割合が高い」ということです。

死亡重傷者の 50%以上が軽乗用車と軽貨物車となっており、特に 65 歳以上の高齢者において顕著となっている。また、小型セダンも含めると、全体に重量の軽い車両の乗員において受傷程度が重くなる傾向が見られる。

軽自動車の乗員傷害について

車体の重さについては極端な例として20tトラックと乗用車の追突事故で、乗用車がスクラップ化しているものがありました。

軽自動車の安全性に疑いがある画像
トラックはほとんど無傷だが、軽自動車はスクラップ化している!どうしたらこうなるのか不思議だ!

一般的な乗用車は車体重量は1.2tから1.5tぐらいであり、軽自動車の場合は1tほどであることから、車体重量差は1.2倍から1.5倍です。

上のトラックほど極端な倍率ではないとしても、この重量差が軽自動車で事故があった場合の損傷につながるため、これはどうあがいても対応することは出来ません。

その点で軽自動車の安全性については重量の点で解決できない問題があるといえます。

軽自動車の衝突安全性:星の数で何が変わるのか?

軽自動車が新車販売台数の4割を占める昨今、その安全性について多くの方が気になっているはずです。

ダイハツのディーラーなどにいくと普通車と同様の衝突テストをしているうえで評価があるということ。

これを考えると普通車と同様の試験で同じ評価ならば、安全性は同じなのかと考えてしまいますが、実際のニュースを見ると軽自動車はとても危ない乗り物であることを実感してしまいます。

軽自動車の安全性については独立行政法人自動車事故対策機構という団体が衝突安全性という項目で評価をしています。

この中の自動車アセスメントには、車両ごとの安全性評価が分かるのですが、客観的データは有効に利用できるのか?という点について深くみていきたいと思います。

軽自動車の衝突安全性のテスト関連、つまり評価基準の前提から確認していきましょう。

軽自動車衝突安全性テストの信頼性

国産車の衝突安全テストは、独立行政法人自動車事故対策機構という団体がテストを行っていて、車種によって星が1から5までの評価をつけています。

このように、軽自動車の衝突安全性テストについては第三者機関による評価が行われたうえでのお話となっています。

そのため、ディーラーが軽自動車の安全性について良い評価を得ているということについては、外部機関の検証があることからある程度は信用できるものとなっています。

ただし、ページ最初でも言ったように軽自動車の安全性については、素人であっても感覚的に普通車より悪いものになっていると判断できます。

結局、ディーラーやお墨付きを与える団体を信じてよいのか、それとも自分の直感を信じるのか、どちらが良いのでしょうか?

衝突安全性テストの内容

衝突安全性のテストは4つの条件下によって行われます。

これらのメニューを簡単にいえば、前からぶつかったテストを2つと側面及び後方の4つのテストを行っているというものになります。

テストメニューテスト詳細
フルフラップ衝突時速55kmで壁に衝突
オフセット衝突時速64kmで前面の40%だけがぶつかる形で衝突
側面衝突静止状態の車に側面から、950kgの台車を時速55kmで衝突
後面衝突静止状態の車に同車種のクルマを後ろから時速36.4kmで衝突

良く車をぶつけてどの程度車体がへこむのか?または搭乗員に損害はないか?なんていう映像を見せられることがありますが、まさにその状況がこのテストなわけです。

設計時の【車の速度・衝撃】想定

車は走行しているときに事故を起こす、またはこちらは停車中であっても相手が突っ込んでくるといったように、動いている結果として事故があり衝撃が発生します。

この点で、軽自動車の衝撃安全性について考える必要があるのは車の速度です。

これらは法定速度内ないしは高速道路での話ではありません。

つまり、高速道路の事故や法定速度外の事故については、起こりえないまでは言わなくても、ここにあるテストとして想定していないということになります。

それに対して、ドイツ車はアウトバーンにおいて時速200kmオーバーでの事故でも搭乗者が生き残れるような車作りというのを目指して設計しています。

この差は、かなり大きいでしょう。

当たり前ですが、ドイツ車と軽自動車で耐久性を比較したら当然ドイツ車のほうが優れているといわざるを得ません。

やはり、軽自動車が危険であるかどうかというところは、安全性に懸念があるのならば選んではいけないということになるでしょう。

もちろん、外車と比べると多くの場合には、国産車全般に言えることです。

衝突安全性はあてにならないのか

テストにおいて軽自動車が有利とされる点についてですが、実際の事故耐久性や安全性には直接的に影響しないことが多いです。

つまり、実際に事故が起きるとこの有利な点が有意義に働かない可能性があり、ここでの話は理論的な話としてお考えください。

軽自動車は車体の重量が軽いので、衝突時の運動エネルギーは低くなります。

このことは特に衝突安全性ということに関していえば、衝突安全性性能も車体重量に比例して必要になることから、車体重量が比較的軽い軽自動車は有利になる可能性があります。

もっとも、最近では車体重量が重い軽自動車も登場していることから、逆にとても危険な状況になっているような可能性もあり、さらに室内空間を広く取っているならば衝突安全性も厳しい評価をせざる得ません。

とはいえ、部分的な安全性について取り上げたところで実のところそれほど意味がないのは冒頭の写真のとおりだと私は思っています。

特別に安全性能が高い車と評価されているわけではない軽自動車は、当たり前ですが安全性能は低いのではないかと考えてしまいます。

軽自動車は構造的に安全性は不利

軽自動車が不利な点は、軽自動車規格によって車体重量や大きさが決められているので、普通車に比べて弱い構造となってしまう点です。

特にテストでよい評価だったというのは、テストでは先ほどもあげた有利な点で点数を伸ばすことができるからでしょう。

実際の事故では、この不利な点が致命となり死亡につながる重大な事故につながっています。

まとめますとやはり構造的には軽自動車が弱いのは間違いありません。

また、衝突安全性能のテストはただの指標程度に収めておくのが良いでしょう。

テストでは良い点数と悪い点数の相殺ということもありますし、いざというときに役に立つのは搭乗者までのボディーの厚みであると私は思います。

側面と背面の衝突安全性は特に低い

事故といえば正面からぶつかるような状況を考えますが、これは単独事故などの状況であり、約8割の事故は車両同士の相互事故です。

テストでは、前面をぶつけるというものがありましたが、これは多くの場合に単独事故の安全性です。

また、側面や後方の安全性テストでは同種の車であったり、あらかじめ決められた重さの代車をぶつけるようなものでした。

しかしながら、実際には後方からぶつかってくるのは、軽自動車よりも重い車であることが多く、ページ冒頭の写真ではトラックが軽自動車の土台より上で吹き飛ばしていましたね。

このような相互事故で恐ろしいのは、軽自動車の装甲の薄さです。

玉突き事故でつぶされる可能性がある

側面や背面は、すぐに搭乗員の席になっていて、衝突がダイレクトに影響してしまします。

普通車でトランクスペースがあるような車の場合には、これが衝突を緩和してくれる役割を担うために、物理的距離として搭乗員を守るといっても良いでしょう。

他方、軽自動車では構造的にそれが難しい機構になってしまします。

正面はまだエンジンがあるから良いとしても、後方や側面については物理的な距離や装甲が薄いところを考えると、普通車と比べたらどうしても危険であると考えてよいのではないでしょうか。

ちなみに、正面衝突ではどうなるかといえば、当然ですが両者のエネルギーがぶつかることと、基本的にエネルギーが大きいほうが勝ることになるために、極端な例では軽自動車とトラックの衝突では、軽自動車側が玉砕すると予想しますので、正面なら大丈夫ということではないことを留意してください。

軽自動車の死亡率は高くない!のカラクリ

ここまで見てきたように軽自動車は構造的なこともあって、わざわざ普通車などと安全性能を比べるというのは意味のないことなのですが、死亡率の高さについてそれほどでもないという反論を時々目にします。

確かに、軽自動車に限ってみても死亡率は高くないというのは現状ですが、これは単独事故も含めての話です。

先ほどもお話したように自動車事故全体としては、相互事故が8割であり、単独事故は2割となっている状況です。

死亡率と危険性は別で考える

事故全体の割合について、自動車事故全体というところを見て欲しいのですが、軽自動車では意外に単独事故も多いのが現状のようで、そうなると前からぶつかるような状況で、このときには車体が軽い軽自動車が比較的安全とされる前方からぶつかった場合によるものが多くなるために、死亡率で見るとそれほどでもない数字になるのでしょう。

構造的に制約を受ける軽自動車について、死亡率を考えるのはそれほど賢いことではなく、そもそも自分の命をかけるとしたらこのような危険な賭けに乗る必要はないはずです。

そのため、普通車を選ぶか軽自動車を選ぶかどうかの決定時に、あまり死亡率を当てにしないほうが良いと考えています。

軽自動車は規格で安全性は厳しいのか

軽自動車は決まった規格内で作ることを要求されています。

このような規格内に作らないといけない軽自動車は、前に説明した理由から危険であるといわざるを得ないでしょう。

前方が大破した軽自動車

極端な例ですが、車体のつぶしても良い部分が多い自動車とつぶせる部分が少ない自動車が衝突したら同じ損傷だったとしても後者の被害は大きいでしょう。

車体の大きな軽自動車が存在すれば良いのですが、残念ながらそれは軽自動車ではありません。

現在の軽自動車は縦方向にしか大きくできないので、室内を広くするために縦方向に大きくすればさらに安全性が落ちてしまうというジレンマがあります。

そのため、軽自動車という規格内では当たり前に有事の際には危険性は増大するのは当然です。

以上より、衝突安全テストというのはある意味で指標でしかないと考えるのが適切でしょう。

そのため、最近ではコンパクトカーが軽自動車と同格になってしまったことから、普通車にするか軽自動車にするか悩む機会に、車の安全性について考えることが多くなりました。

当然ですが、安全性を追求するなら軽自動車規格の無い普通車を選ぶほうが望ましいと結論付けます。

強度・丈夫ランキング上位:ホンダN-WGN

一応軽自動車においても衝突安全性で優れているといわれている車があります。

ホンダのN-WGNは新・安全性能総合評価で5つ星を獲得しました。

先ほどの結局は平均だから、軽自動車規格内ではどうしても安全性は低くなるというお話をしましたがそれでも現在の国内新車販売台数の4割は軽自動車となっている現状があります。

最近流行りの屋根が高いタイプではないですが、だからこそ安全性能が高いのです。

所詮は衝突安全性能のテストではありますが、軽自動車の中で比較するなら良い指標になると思います。

少しでも、安全な軽自動車を買いたいと考えるのならホンダN-WGNは良い選択なのではないでしょうか?

ホンダN-WGNの安全性能総合評価

ホンダN-WGNホームページより引用

http://www.honda.co.jp/N-WGN/

ホンダはゼストという軽自動車から安全性について力を入れていて、現在人気のN-BOXにもこの技術はいかんなく使われています。

エンジンをうまくつぶすことで、乗っている人を守るなど、前方向の衝撃対策は納得できるものがあります。

しかし、上のN-WGNの画像を見てわかるように、側面や背面はどうしても手薄になりますので、「運転手だけ助かって後部座席の搭乗員が死傷した」ということになりかねません。

やはり、出力や大きさに制限がある軽自動車は、安全性を技術で向上させることは出来ても、それは既定の枠内だけであって、それ以上は難しいのが現状のようです。

N-BOX:衝突安全ボディーのコンセプト

N-BOXは開発段階からダイハツタントをベンチマークとして設計された車であり、軽自動車の衝突安全性に挑んだ車と言えます。

その結果として残念ながらダイハツタントやスズキスペーシアと比べて燃費は劣るものの、衝突安全性の向上に寄与していると判断しています。

衝突時の衝撃(G)を制御するHonda独自の安全技術「G-CON」。軽量かつ高強度な素材を各所に配置することで衝突安全性能に貢献します。
さらに「コンパティビリティー対応ボディー」の採用により、相手車両に与えるダメージも軽減しています。

ホンダ公式:N-BOX衝突安全性能

この衝突安全ボディーについてここでは詳しく説明されていませんが、エンジンをつぶして搭乗者の安全を守るという設計になっています。

対して相変わらず背面と側面はどうしても衝突安全性に弱くなりますが、ダイハツタントのミラクルオープンドアのような構造で厳しい状況にはなっていません。

ミラクルオープンドアとは

ミラクルオープンドアとは、ダイハツタントが採用している助手席側のピラー(支柱)を骨組み一帯から取り除くことで、ドア開口面積を広くとることが出来るドア一帯のことです。もちろんピラーがないからといって極端に強度が落ちないような工夫はありますが、当然ピラーがないことの弊害は出てきます。

日本車全体の傾向として、搭乗者を守るために居住スペース以外をつぶしたうえで安全を守るという設計が多いようで、軽自動車の規格限界を設計によって改善するという試みであるとみています。

この点で、燃費性能で比較した場合にはホンダはダイハツやスズキに劣りますが、安全性能においては燃費を犠牲にしても他社よりも優位性があると判断できます。

軽自動車衝突安全性はあてにしない

ここまで車体の大きさにおける自動車の安全性を申し上げてきました。

また衝突安全テストというのは、指標にしか過ぎずこれを軽自動車か普通車かを安全性で選ぶのはナンセンスであるということも言ってきました。

安全性で車を選ぶなら、絶対に軽自動車は選択しないでください。

また軽自動車の中で安全性が高いものを選ぶとなれば、N-WGNのような新しくて屋根が高いタイプ出ない車を選ぶようにしましょう。

ちなみに、極端に安い軽自動車では価格と燃費を追求しています。

屋根が高くなくても安全性能は低いので要注意です。

事故による損傷では、保険によってリスクに対してお金を備えることはできても、身体の安全に備えることはできません。

あなたの車の選択で人生の存続に関わってくる場面もあるでしょうから、車選びは慎重に行ってください。

とはいえ、「予算が足りないから軽自動車を選択する、でも安全性も気になる!」という方は、安く良い普通車の中古車を探せば解決することもありますので、次をご確認ください。

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